小屋の沢 宮城県

 夏季休暇もいよいよ明日で最後。今日からカミさんも仕事、朝から釣りに行きます。今日は小屋の沢、釜房湖に注ぐ北川の支流。以前より、山形自動車道 古関PAを過ぎた辺りで見える清流を美しく思っていた。ガイドブックによるとイブニング狙いとかよさそうである。笹谷ICからR286を川崎方面に4km程行った辺りでアクセスもいい。

 まず北川本流との合流点から少し上流にある大堰提に向かう。ここのプールは広くフライでは狙いきれないとのこと、ならばルアーで爆釣!と言うまったく都合のいい考えでのこと。しかし、これから起こる恐怖を想像する事はできない。

 大堰提の直ぐ上にある駐車スペースに車を止める。すると車の窓ガラスに突っ込んでくる何かが。しかも数が増えてくる。 アブ、8月お盆の頃に大量発生するとは聞いていたがホントですね。何とかアブの猛追を避けて川に出る。と、想像よりはるかに水量が少なく、中州まで地続き状態。堰提の左側は流れもなく堆積物のためか泡ブクが出ている。取り合えず水の動いている右側エリアでキャストする。ルアー、場所を変えキャストするが反応はない。時期的なこともあるのか、大物を期待していただけに残念。ここからは瀬が多く時折り落差がある川を釣り上がる。

 しかし、ここも状況は厳しく、一度だけルアーをチェイスするイワナらしき姿が見えたがそれっきり。この後見たくもない姿を確認してしまう。
 パキパキ、ガサガサ、対岸の藪だらけの急斜面を誰かが下りてくる。いや誰かではない、黒い。そう、クマ。もう、口あんぐりで固まる。熊鈴は?ない、車に忘れた。いや出くわしてから鳴らしても、ここにいますと知らせるだけ。どうする? 次の瞬間、後方の藪の中へ飛び込み、足が縺れる中必至の藪こぎで何とか大堰提まで辿り着き、車に戻ることができた。いやー危なかった。もう少し近くでばったり遭遇していたら、ばっさりやられていたかもしれない。奥羽山系の多くは、熊の出る可能性が少なからずあるが、この辺には熊注意の看板がひとつもない。上流部には釣り堀もあり、この辺で遊ぶ方は充分注意されたい。私はもう行きません。

 合流地点まで戻り、今度は北川本流を釣り上がる。実は、もう帰ろうという気持ちと、一匹見るまではという釣り人の性との葛藤の末、一匹の方が打ち勝っていた。こちらの渓相は渓流の趣がやや強い。テンポ良く釣り上がっていったが、こちらも厳しい。途中、先行のフライをやってる方と出会ったが、出なかったとのこと。やがて巻くのが難しいところまで来て、諦めて折り返すことに。

最後に養殖場裏の堰提のプールで竿を出す。

すると一投目でヒット。引きでいい型だとわかる。出て来たのは25cm程のニジマス。釣り堀から逃げ出して野生化したのもか。

ルアー:MIU ラメ入オレンジ/ゴールド